ベランダのひび割れはなぜ起こる?原因や補修方法・メンテナンス・費用を解説
2024/06/21
ベランダでひび割れを見つけたことはありませんか。
ひび割れを見つけてしまったら、「このまま放置していていいのかな」「雨漏りしてしまったらどうしよう」と不安な気持ちになってしまうと思います。
ベランダにひび割れを見つけたら、決して放置してはいけません。然るべきメンテナンスを行い、建物の安全を守りましょう。
ここではベランダのひび割れの原因や補修方法などをまとめてご紹介しています。
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ベランダにひび割れが起こる原因とは?
なぜベランダにひび割れが起こるのでしょう?
考えられる原因として次の3つが挙げられます。
- 経年劣化
- コンクリートの乾燥収縮
- 地震による建物の揺れ
以下ではこれらの原因がひび割れにつながる理由をより詳しく解説していきます。
経年劣化
ベランダの床は表面からトップコート、防水層、下地という順番で構成されているのが一般的です。
ベランダにみられるひび割れの一つは、表面のトップコートが紫外線などにより劣化することです。
トップコートの役割は防水層保護で、トップコート自体には防水性はないため、すぐに雨漏りが起こることはありません。
しかし、トップコートのひび割れを放置してしまうとひび割れから水分が入り込み、防水層の劣化を早めてしまいます。
ひび割れが見つかった場合には早めに補修するようにしましょう。
またトップコートの耐用年数は5年と言われていますので、ひび割れが見られない場合にも、定期的にトップコートを塗り直すことが大切です。
コンクリートの乾燥収縮
コンクリートは水分が徐々に乾燥することにより収縮する性質があり、「乾燥収縮」と呼ばれています。
水分を多めに混ぜることでコンクリートは施工しやすくなりますが、過剰に水分を混ぜてしまうと、長期間にわたって乾燥収縮をすることになります。
その場合、十分にコンクリートが固まってからも収縮が続き、ひび割れを引き起こしてしまいます。
乾燥収縮は施工から数ヶ月で引き起こされることが多いですが、場合によっては数年乾燥収縮が続くこともあるため注意が必要です。
地震による建物の揺れ
地震の振動や衝撃によって建物が大きく揺れ、ひび割れが引き起こされる場合があります。
この場合のひび割れは表面的なものではなく、内部まで深いひびとなっていることも多いため、雨漏りなどに直結することがあります。
地震以外にも建物の歪みによって、突然ひび割れが発生することもあります。
ベランダのひび割れを放置するのは危険?
ベランダのひび割れを放置した場合、どういったことが引き起こされるのでしょうか。
トップコートの剥がれ
トップコートに見られるひび割れは劣化の初期症状です。
そのまま放置すると、染み込んだ水分が蒸発する際に表面と塗膜を剥離させてしまい、トップコート全体に剥がれが生じます。
この状態になると、トップコートは本来の役割を果たすことができません。
防水層の劣化
トップコートが剥がれてしまえば、防水層が保護できなくなってしまいます。
そうすると、防水層の劣化は急速に進んでしまいます。
ベランダから建物内部に水が染み込んでしまうまで長い時間はかからないでしょう。
雨漏り・躯体の腐食
防水層が劣化し、建物内に水が侵入するとどうなるのでしょうか。
染み込んだ水は、菌やカビを発生させ、さらには柱や梁など建物の躯体部分を腐食させてしまいます。
鉄筋コンクリートの建物であっても、鉄筋部分にサビを発生させて建物の強度を大幅に下げてしまします。
雨漏りが起きた場合には、すでに建物内部には大量の水が染み込み、躯体部分へ相当なダメージを与えている場合がほとんどです。
そうなると、建物の安全性や耐震性が保てなくなり、非常に大掛かりな工事が必要となります。
ベランダに起こったひび割れの補修方法
ベランダのひび割れは原因や症状にあわせた補修が必要です。
中にはDIYでもできるものもありますので、早めに補修を行いましょう。
コーキング工事
コンクリートにひび割れがある場合には、コーキングで補修することができます。
コーキングと呼ばれる目地剤をひび割れに埋め込むことで、水の侵入を防ぐことができます。
使用するコーキング剤や用具はホームセンターなどでも販売されているため、一般の方でも施工することが可能です。
コーキング工事の手順
ケレン作業・下地調整
アセトン拭き
養生
プライマー塗布
コーキング材充填
トップコート塗装
床の表面にひび割れがみられる場合にはトップコートを塗り直すことで補修が可能です。
トップコートが防水層保護の役割を取り戻すことで、防水層の劣化を遅らせることができます。
トップコートの塗装については、DIYでも施工が可能ですが、防水層の劣化状況をよく確認してから施工する必要があります。
トップコート塗装の手順
高圧洗浄
ケレン作業・下地調整
アセトン拭き
プライマー塗布
トップコート塗布
防水層の再形成
ひび割れが表面だけではなく、防水層にまで及んでいる場合には、防水層を再形成する必要があります。
ひび割れが部分的なものであれば、その部分だけを切り取って再形成することができます。
防水工事は高い技術が必要となりますので、専門業者に依頼した方が賢明です。
工事は下記の手順で行われますが、ひび割れ箇所以外にも劣化が見られる場合には、全体を工事し直す方が良い場合もあります。
防水層再形成の手順
高圧洗浄
ひび割れ部分をカット
プライマー塗布
防水層の形成
ベランダ防水層の形成は主に下記の3つの方法が検討されます。
ウレタン防水
ベランダ防水工事の主流となっているのがウレタン防水です。
ウレタン樹脂を塗り重ねて防水槽を形成する方法なので、狭い場所や凹凸のある場所など、場所を選ばず施工が可能です。
耐用年数は10年前後で、費用は1平方メートルあたり4,000~7,000円程度(諸費用別途)です。
耐用年数と価格のバランスも良く、リフォームや補修にも最適な方法です。
ベランダで使用されることの多い密着工法の具体的な手順は下記のような手順となります。
ウレタン防水密着工法の工程
高圧洗浄などでホコリや汚れをしっかり取り除く
補修作業を行う
プライマーを全面に塗る
ウレタンを2度塗りする
トップコートを塗る
水分を逃すことができないため、すでに雨漏りが発生している場合にはウレタン防水の通気緩衝工法が選ばれることもあります。
FRP防水
FRP防水とは繊維強化プラスチックを塗布して防水層を形成する方法です。
非常に軽く、乾くと硬くなるのが特徴です。
硬いために地震によるひび割れが発生するリスクはやや高いですが、非常に丈夫でベランダに重たいものを置きたい場合や、歩行が多い場合でも安心です。
ウレタン防水より費用はやや高く、1㎡あたり4,000~7,500円程度(諸費用別途)かかります。
仕上がりはガラスのような光沢があり、非常に美しく仕上がります。
耐用年数はメンテナンスの状況にもよりますが、耐用年数は10年前後でウレタン防水と比べてもあまり変わりません。
FRP防水の工程
清掃・下地処理をする
プライマーを塗る
FRPシートを敷く
ポリエステル樹脂を塗る
③~④を繰り返す
表面の調整
トップコートを塗る
シート防水
シート防水は塩ビやゴム製の防水シートを貼り付けることで、防水層を形成する方法です。
シートを貼り付ける方法なので、広い面積の場所にも一気に施工できるという特徴があります。
一方で凹凸のある場所や複雑な形の場所には施工ができません。平らな場所への施工が前提となります。
ゴム製と比べて、塩ビ製シートの方が耐久性に優れているため、近年は塩ビシートが選ばれることが多いようです。
塩ビシート防水は紫外線にも強く、12〜15年程度の耐用年数があります。
費用は1㎡あたり4,000~7,500円程度(諸費用別途)で施工できるので、コストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。
デメリットとしては施工には専門的な知識や技術が必要で、施工業者が限られます。
シート防水の工程
高圧洗浄
下地処理
下塗り
シートの張付け
トップコートの塗布
ベランダのひび割れ状況からみたメンテナンス時期
ベランダのひび割れは状況によって、メンテナンスの時期は違ってきます。
下記を参考に、メンテナンスのタイミングを判断していきましょう。
表面のひび割れ
表面のひび割れはトップコートの劣化です。
トップコートの耐用年数は5年程度とされていますので、5年を過ぎるとひび割れがみられることが多くなります。
表面のひびには定期的なトップコートの塗り直しが最も大切です。
深くて大きなひび割れ
ひびが深くて大きい場合は、表面だけでなく防水層までひびが及んでいる可能性が高いです。
防水層が防水効果を発揮できず、ひびから水が染み込んでいることが予想されます。
雨漏りや躯体部分の腐食に直結してしまいますので、見つけた場合には早急な対応が求められます。
雨漏りが起こっている場合
すでに雨漏りが起こっている場合には、ベランダだけでなく、周辺や内部の調査も含めた早急な対応が必要です。
少しでも早く対応すれば、被害は最小限に抑えられますが、すでに相当な被害となっていることが予想されます。
ベランダのひび割れ補修にかかる費用
ベランダのひび割れの補修費用は、補修方法やベランダの状況により大きく異なります。
コーキング工事の費用目安
防水工事では防水層の隙間や立ち上がり部分などにコーキングが施されていることがあります。
コーキングの耐用年数は5〜7年程度と言われており、年月が経過すると経年劣化によりコーキング剤の収縮やひびが発生します。
ベランダのコーキング工事には2つの方法があります。
- 打ち替え工事
既存のシーリングを除去し、新たなシーリング剤を充填する方法 - 打ち増し工事
既存のシーリング剤をそのままにシーリング剤を充填する方法
打ちまし工事は、適切に施工しないと施工不良を引き起こすリスクはありますが、既存リーシングの除去が不要なため、コストを抑えられます。
費用には下記のような違いができます。
>
工事の種類 | 単価相場(1㎡あたり) |
---|---|
打ち替え工事 | 700~1,200円 |
打ち増し工事 | 500~900円 |
ベランダの床にできたひびを補修する場合は、打ち増し工事と同等の費用で施工できるでしょう。
ホームセンターなどでシーリング材を購入し、DIYで補修することも可能です。
トップコート塗装の費用目安
トップコート塗装の費用は、防水層の種類によって価格が変わってきます。
防水層の材質との相性のよいトップコートを選ぶ必要があり、5年毎の塗り替えが理想的です。
一般的な広さのベランダであれば、2万円〜5万円程度でトップコートが塗装できます。
少ない費用で防水層の改修を先延ばしにすることができ、長期的なコストダウンにつながります。
>防水層の種類 | 単価相場 |
---|---|
ウレタン防水 | 約1,500~2,000円/㎡ |
FRP防水 | 約1,800~2,500円/㎡ |
シート防水 | 約1,000~1,500円/㎡ |
少し難易度が高くなりますが、DIYでの施工も可能でしょう。
防水層の改修工事の費用目安
防水層の改修工事は専門的な知識や技術が必要です。必ず専門業者に依頼しましょう。
費用は施工方法や使用される資材によって大きく変わります。
>防水工事 | 単価相場 |
---|---|
FRP防水 | 約4,000~7,500円/㎡ |
ウレタン防水 | 約4,000~7,000円/㎡ |
シート防水 | 約4,000~7,500円/㎡ |
上記の費用以外に、下記のような費用が別途かかります。
見積もり時には不足項目や不明瞭な請求がないかをよく確認するようにしましょう。
>作業内容 | 単価相場 |
---|---|
高圧洗浄 | 200~300円/㎡ |
下地処理 | 200円/㎡ |
下地補修 | 200~300円/㎡ |
改修用ドレン設置 | 15,000円/1箇所 |
廃材処分費用 | 10,000~30,000円 |
管理費(人件費) | 10,000~30,000円 |
諸経費 | 10,000~30,000円 |
足場代 | 700~900円/㎡ |
補修業者を選ぶ際のポイント
ベランダのひび割れであれば、塗装業者・防水業者・リフォーム会社など対応してくれる業者はたくさんあります。
ここでは信頼できる業者を選ぶためのポイントを紹介しています。
防水工事の実績を確認
防水工事は専門的な知識が必要で、工法や補修方法によっては施工できない業者も少なくありません。
「ベランダのひび割れ補修の実績がどの程度あるのか」は、事前に確認しておきましょう。
経験豊富な防水工事の専門業者であれば、「トップコートのみの塗装でいいのか」「防水層から改修する必要があるのか」といった判断も正確にすることができます。
相見積もりを取る
価格相場を確認するためにも、必ず複数の業者から相見積もりを取りましょう。
高過ぎる場合はもちろんのこと、安過ぎる場合にも手抜き工事などを行う悪質な業者の可能性があります。
見積書を確認する場合には、価格だけではなく「使用される資材や塗料の名前」「施工面積」など工事の詳細が記載されているかを確認しましょう。
業者によって提案される工事内容も大きく違うことも考えられますので、必ず1社ではなく複数の業者から話を聞くことが大切です。
調査や見積もりの説明が丁寧か
ベランダのひび割れの修繕を依頼したとしても、排水溝周りやベランダ周辺など、さまざまな部分も含めて調査してくれる業者は優良業社である可能性が高いです。
また専門的な内容の工事について、素人にも分かりやすく丁寧に説明してくれる業者であれば、安心です。
依頼する側も遠慮しないで、わからないことは積極的に質問するようにしましょう。
回答が的確でわかりやすければ、十分な知識を持っていると判断できます。
まとめ
ベランダのひび割れ補修についてまとめると、
- ベランダのひびは放置すると雨漏りや躯体部分の腐食を引き起こす危険がある
- ひび割れの原因は「経年劣化」「コンクリートの乾燥収縮」「地震による建物の揺れ」などが考えられる
- ひび割れ補修は「コーキング工事」「トップコート塗装」「防水層の再形成」が検討されるが、ベランダの状況にあわせて慎重に方法を選ぶ必要がある
- ベランダのひびを補修するコーキング工事の費用は1㎡あたり500~900円程度
- ベランダのひびを補修するトップコート塗装の費用は1㎡あたり1,100~2,500円程度
- ベランダのひびを補修する防水層の改修工事の費用は1㎡あたり4,000~7,500円程度
- 施工業社を選ぶポイントは、
- 施工実績を確認
- 相見積もりをとる
- 調査や見積もりの説明が丁寧か
となります。
ベランダのひびは見つけてすぐに対応すれば、問題なく補修できる場合がほとんどです。
しかし放置してしまうと、取り返しのつかない事態にもなりかねません。
早期に見つけて、早めに対応するよう心がけましょう。